Category Archives: book

書評:月は無慈悲な夜の女王

 ハインラインの代表作でもある大作。独立を目指して月世界住人が地球を相手に戦う話。

書評:海賊と呼ばれた男(下)

 百田直樹のベストセラーの下巻。爽やかな読後感だが、現実は厳しそうだ。創業家(つまり、この本の主人公たち)と経営側で揉めている。

書評:断絶への航海

 J.P.ホーガンの小説。人間の遺伝子情報を全てデジタル化し、宇宙船に乗せて別の惑星で発芽させ機械に育てられた人類が獲得した社会様式と旧制度を墨守しようとする訪問者とのギャップ。

書評:海賊と呼ばれた男(上)

 百田直樹の著作だが、この人の文章は非常に読みやすい。ページを繰る手が滑らかになるのがいい。ストーリの内容とバックグランドの説明も自分の知識レベルにちょうどいいので読みやすい。これをまず感じる。

書評:未来の二つの顔

 J.P.ホーガンの小説はけっこう読んでいる。「星を継ぐもの」の最終話は翻訳されていなかったのでペーパーバックを買って読んだくらいだ。その中でこの本はノーマークだったが、IoT(の概念と呼べるもの)やドローン(これはそのものズバリ)が1983年の時点で記述されている。当時のSFにようやく時代が追いついた感じである。
 ストーリーはAIの完全な管理を目指す意味で、電源の遮断を試みると言うものである。この文脈は「AI vs 人類」の話の中で必ず言われる言葉であり、「AIの暴走を停めるには何をする?」の回答として「電源を切れば良い」がある。「電源を切る」つまりエネルギー源を断てば、どんな動作物でも必ず停止する。生命で言えば、「餓死」である。でもそんなに単純な話なのか?自分に置換えて考えてみれば答えは明白である。「座して死を待つ」と言うのはあり得ないのである。生存を最優先におくのが本能であり、生命としての振舞いである。エネルギーを確保するためにありとあらゆる手段を講じるだろう。どんな手を使ってもだ。
 もう少し、細かいプロットみてみよう。地球規模でAIに管理を任せる際に、AIの管理を完全なものにするために上記の「電源断は人間が行えるようにする」のが果たして可能なのかの実証実験をスペースコロニーで行った。最初のうちは、人間がコントロールをリードするもAIも迂回路の構築やドローンを駆使しての回路の増設を試みる。やがて「電源トラブル」の原因が「人間」であると認識したAIが取った行動は当然、人間の排除へと向かう。
 とここまではお決まりのプロットだ。最後の落とし所は若干のご都合主義だが、腑落ちする結末であり後味の悪い読後感も無い。

 AIの話の元ネタとして、知っておくと呑み屋での話題として使える。オススメである。

 

書評:蒼き狼

 高専時代にコーエーのシブサワコウがデザインした「蒼き狼と白き雌鹿」と言うゲームがあった。このゲームはシミュレーションゲームな訳だが、タイトルの「蒼き狼〜」と言うのが特に印象に残っていた。その蒼き狼がジンギスカンを指す事はその時に理解したが、原作があると言う事はついぞ知らなかった。作者は井上靖、中学の頃は課題図書で「あすなろ物語」の読書感想文を書いたのだが、完全に失念していた。
 話を「蒼き狼〜」に戻す。この作品は広大な版図を欲しいままにしたジンギスカンの物語である。蒼き狼の化身であるはずの自分であるが、伺い知れない過去。それと完全に対応するかのように長男の出自のなぞ。自分へ課した蒼き狼への到達をそのまま長男に投影してしまう。愛妾クランとの間の子も…。

 井上靖の筆は読みやすく、最後まで一気に読ませてしまう。読んで良かったなと思わせる本。オススメである。

書評:夏への扉

 ハインラインの古典的名作SF。前にも読んだ事があるかな?と思ったけど、記録では見つからなかったし、ストーリもほとんど判っていなかったので多分読んでいないんだろう。人工冬眠とタイムトラベルを組み合わせたストーリー。書かれたのは1956年で舞台は1970年と2000年。そのどちらも自分は体験しているけど、家事代行ロボット開発のエンジニアの主人公が開発したロボットで少なくとも2000年に実用になっているのはロボット掃除機のRoombaだけだ。その代わりのデバイスは携帯電話だよね。昔のSFはそこが楽しい。

書評:ベルリン飛行指令

 記念すべき2017年最初の書評。
 作者は佐々木譲、物語は日米開戦前夜、日独伊三国同盟直後、零戦の優秀さを聞きつけたヒトラーの肝いりでドイツへの飛行計画が立案・実行される。空路として独ソ不可侵条約がありながらドイツ側はソ連側からの飛行を拒否、否応なくインド・中東経由での飛行を余儀なくされる。この一帯はドイツと交戦中の英国の管理下にある。そこを飛行するパイロットは安藤大尉と乾空曹。途中の難関を両パイロットは乗り越えられるのか?戦史好き、飛行機好きは楽しめる良書。

書評:カストロ、銅像なき権力者

戸井十月のカストロへの思い

書評:ヒエログリフ解読史

ロゼッタストーンの解読を通しての、ヒエログリフの理解の歴史を細かく描いてある。英国・フランスのエジプトに対する憧憬がよくわかる。